【自販機ルート配送の仕事って実際どう？】経験者が仕事内容からメリット・デメリット・やりがい、給与事情まで徹底解説！

経験してよかった度（★★★★☆）
この仕事を続けたい度（★☆☆☆☆）

「自販機ルート配送の仕事に興味があるけど、実際どんな感じなの？」「きついって聞くけど、本当に続けられる？」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

私自身、このお仕事を約5年経験しました。
本記事では、私の経験に基づき自販機ルート配送の仕事に興味をお持ちの方へ具体的な仕事内容、メリット・デメリット、向いている人の特徴、必要なスキル、給与事情など、業界のあるあるを交えて詳しく解説します。
 この情報が、あなたのキャリア選択の一助となれば幸いです。

自販機ルート配送の仕事内容とは？どんな仕事なの？

自販機ルート配送の仕事は、トラック(1.5t～3t車)を運転し決められたルートを巡回しながら、
商品の補充・新商品入れ替え・売上金の回収・清掃・POPや飾りつけの設置・修理や簡単なメンテナンスなどを行うお仕事です。
メインの業務は商品の配送・補充ですが、その他の業務や、詳細についても以下に解説します。

✅ 主な業務内容

• 商品の補充：前回の訪問日から売れている商品を補充する(補充する商品の種類・本数や回収する売上金額は専用のハンディ機器を使用して出力します)とともに、売り逃しのないように、売り切れを起こさないための在庫管理が求められる。訪問時売り切れていた商品は、次回に売り切れが発生しないよう自販機内の在庫を増やす作業を行う。また、売り行きの悪い商品を売れ筋商品に交換したり、季節に応じたラインナップの調整し売り上げを上げるための作業なども行う必要がある。
• 新商品の入れ替え：短いスパンでいくつもの新商品が発売されるため、既存商品からの入れ替えが必要。
• 売上金の回収：自販機内の現金を回収し、釣り銭用の現金は残す。間違いがないよう正確な管理が求められる。万が一回収金額に差異があった場合は、自腹を切ることになります。しかし、金額が合わない分は釣り銭用現金の置き間違えが多いので、次回その自販機に訪問した際に戻ってくることがほとんどです。
• 自販機の清掃：外観や飲料の取り出し口などの汚れを拭き取る。夏場はクモの巣などがついているためキレイに清掃し、常に良好な状態を保つ。
• POPや飾りつけの設置：新商品やおすすめ商品のPOPやポスターを設置する。
• 修理や簡単なメンテナンス：ボタンの不具合、紙幣の詰まり、コイン流れなど、故障や不具合を解消。自分で対応できない場合は、修理専門の業者へ連絡することで対応してくれる。
• ホット・コールドの切り替え：暖かくなる季節がやってくる前にホットからコールドへ、寒くなる季節の前にホットへの切り替え作業が発生。
• 自販機内商品の賞味期限・品質チェック：自販機内の商品はいつ何本補充したかなどすべてデータで管理されています。売れ行きが悪い商品を放っておくといずれ賞味期限切れが発生してしまうため、対象商品の賞味期限チェックや、あまりに古いと入れ替え作業の指示が出されて時間を取られることがあります。また、賞味期限だけでなく、ホット商品も長らく売れ行きが悪いと温めすぎて味が落ちるため、賞味期限チェックと同様に品質チェックや入れ替え作業が必要になります。

1日に回る自販機は20台前後が一般的で、業務時間内に完了するよう作業の効率化が求められ、作業が終わらないと残業が発生します。
作業自体はシンプルですが、例えばホットコールド切り替え時など、時期によっては1台の自販機に対してやることが多くなり、時間がかかることもあります。
しかし、1日のノルマ台数を効率よく巡回することで、より早く退勤することも可能です。

自販機ルート配送のメリット【良い点】

✅ 人間関係のストレスが少ない！

基本的に1日中1人で作業をするため、職場の人間関係に悩まされることが少ないです。しかし、まれに同乗研修があったり、忙しい日などは、新人や同僚社員を助手席に乗せ、二人一組でルートを回ることもあります。
また、自販機の設置先であるお客様にはしっかり挨拶することや、コミュニケーションを取る必要があります。

✅ ルーチンワークで難しいこと一切ナシ！

毎日決まったルートを回るので、一度道やハンディ機器の操作を覚えて仕事に慣れてしまえば業務の流れが掴め、難しいことや新しく覚えることが少ないため、精神的な負担は少ないです。

✅ 運動不足解消！体を動かせる！

清涼飲料水の積み卸しや、自販機までの運搬作業が多く、場合によっては重量物を運びながら体を動かすため運動不足には困りませんし、体力もつきます。体力がつくことによって巡回スピードも向上し、より効率的に業務を進めることができます。

✅ 未経験でも始めやすい！

特別な資格は不要で、免許以外に必要な資格はありません。免許の種類は主に中型免許があればOKですが、企業によっては普通自動車免許(AT限定可の場合もあり)・準中型自動車免許のいずれかがあれば採用してくれる企業もあります。また、専門性のある業務ではなく、研修制度も充実しており、一人でルートを回れるようになるまで先輩社員と同乗研修を行うので未経験でも安心して働くことができます。

✅ 経営者視点で担当エリアの自販機の売り上げを左右できる！

担当エリアの自販機1台1台が自分のお店のようなものです。設置場所によって売れ筋商品がまったくことなるため、それぞれの設置先に合った商品のラインナップや在庫管理を自身が行う(オフィスならコーヒーやエナジードリンク系、近くに小学校があるならジュース系などのラインナップをそろえるなど)ことで自販機の売り上げが左右します。そのため、より売り上げを上げるためにはどうしたらいいか、その設置場所の自販機を利用するユーザーが求めているものを提供するための管理の仕方を考えるなど、経営者視点のマインドが身に付きます。

✅ 待遇・福利厚生が充実している企業が多い！

自販機ルート配送の仕事は、コカ・コーラやキリン、アサヒ、ダイドーなど大手飲料メーカーの子会社やグループ会社に属する配送会社が担っている場合が多いです。
親会社等に名だたる大手飲料メーカー会社を持つ企業が多いため、安定した給料はもちろん、福利厚生が充実している企業が多いです。

自販機ルート配送のデメリット【きつい点】

❌ 体力勝負の仕事

飲料ケースは1箱10〜20kgあり、これを1台の自販機に対して一度に数ケース、それを1日に何十回も運ぶため、体力がないと厳しいです。
そして、トラックから自販機までの距離が遠いほど運ぶ距離が長くなり、時には階段を使用して運ぶことがあるためかなりの体力勝負の仕事になります。
しかし、最初はキツくても続けている内に体力はついてきます。

❌ 天候に左右される

自販機ルート配送の仕事は、猛暑日や寒い日はもちろんのこと、大雨や強風、台風や雪の日でも屋外の自販機で補充などの作業を行います。
悪天候で視界が悪い中では特に安全運転に配慮したり、風が強い日はトラックの屋根に乗せている回収した空き缶が飛ばされないように1件1件屋根に上りしっかりとネットをかけたりと、体力面以外でもキツい場面が多々あります。

❌ 時間管理が難しい

その日の訪問予定台数や売れ行きによって作業時間が変動するため、日によっては休憩時間を削ったりしても予定通りに帰れない日もあります。
また、その日の訪問予定の配送がすべて完了するまで帰れないため時間をかけてでも確実に業務を完了することが求められます。
さらに、訪問予定ではない自販機で売り切れや故障が発生した際は、訪問予定外の自販機であったとしてもルート中に立ち寄り補充や修理を行う必要があるため、拘束時間や残業時間が長くなる日があり、時間管理をしづらい場面もあります。

❌ 休みが不規則

自販機ルート配送の仕事は、年間休日が120日前後としっかり休みが取れる企業がほとんどです。
しかし、自販機は24時間365日稼働しています。そのため、休日に人が集まる観光地やレジャー施設では特に補充が必要になるので、世間はＧＷや年末年始のお休みであってもルートを回ります。
担当エリアによっては希望を出さない限り土日祝休みは難しく、シフト制のお休みとなります。
ただ、少数ではありますが土日休みの企業もあります。(ダイドードリンコなど)

❌ 自販機内在庫が合わない分の商品に対して自腹を切る

自販機内から商品を抜いた際などに、機内の在庫が合わない分を自腹で弁償する必要がある企業があります。
原因が自身だと分かる場合はいいのですが、原因不明の不足在庫などもあるため、原因が分からず泣く泣く自腹を切ることがあります。仕事をしていてお金を払うなどバカバカしいので、面接時などに詳細をしっかり確認しましょう。

自販機ルート配送に向いている人の特徴

✅ 運転が好き：トラックの運転が多いため、運転が好きな人
✅ 体力に自信がある：重いケースを運ぶため、外で体を動かして作業をするのが自分には合っていると思う人
✅ 黙々と作業できる：1人作業が多いため、決められたルートを回ってコツコツ仕事をするのが好きな人
✅ 時間管理が得意：ルートの回り方など効率的に考え動ける人は活躍しやすい

自販機ルート配送の1日の流れ

 出社・準備

• ルート確認、トラックへの商品の積み込み(基本は前日積みですが、商品の不足等により前日に積み込みできなかった商品は出発前に積み込み

 配送開始

• 各自販機で補充・売上金回収・清掃等の作業を実施
• 1台あたり15分～30分程度の作業

 昼休憩

• ルート状況によっては休憩を取れなかったり、時間を短縮されることも

 午後の配送

• 残りのルートを回る

 帰社・精算作業

• 売上金の精算、翌日配送分の積み込み等の準備

 退勤

• 早く終われば早めに帰宅も可能

自販機ルート配送の給料・年収はどれくらい？

• 月収：平均25万～35万円程度
• 年収：350万～450万円程度
• 昇給：経験や業績、がんばり次第で可能
• 賞与：ほとんどの企業で有。
• 残業：月20〜30時間程度の残業がある会社も
  ※企業によって労働条件が異なります。実際に働く場合は、企業の求人情報や説明会で詳細を確認することが大切です。

自販機ルート配送の業界あるある

✅ 予定のルートを回っていて、主に下記の理由で巡回予定台数が追加される

• 売切れが点灯しているため補充依頼が来る→その日の予定巡回台数に1件追加される
• 自販機横のゴミがいっぱいで回収依頼が来る
• 商品購入時釣銭が出なかった→自販機をチェックしに行き、返金等の対応
• 商品購入時にお金が飲み込まれた→自販機をチェックしに行き、返金等の対応
• 商品を購入しようとしたが、コインが釣銭取り出し口に流れてしまって購入できない→自販機をチェックしに行く

✅ その他

• 他本販売(購入時、一度に商品が大量に出てくること)による故障対応→在庫も合わなくなる
• 自販機内の金銭の盗難がある→特に連休中誰もいない会社の敷地内に設置している会社などが狙われやすい。盗難にあった自販機は撤収作業で庫内の商品を全抜きする必要があるため、大きい自販機であればあるほど時間がかかります。
• 誤って他の自販機から回収した賞味期限が近い商品を売れ行きの悪い自販機に入れてしまい賞味期限切れを出してしまう。
• 落としてへこんだりした商品や賞味期限切れの商品を間違えて自販機に補充してしまう→トラック内などでしっかり仕分けておくことが大切。
• 自販機内のリモコンは覚えられないくら様々な設定や操作が可能だが使用するのはごく一部のみ(商品を抜く操作など)

自販機ルート配送のキャリアパス

✅ 管理職への昇進：リーダー職やオペレーションマネージャーへの昇格

✅ 他の物流・配送業への転職：運転スキルを活かして転職も可能。

 

まとめ：自販機ルート配送はこんな人に向いている！

✅ 一人で働くのが好きな人
✅ 体を動かす仕事が得意な人
✅ 単純作業をコツコツ続けられる人
✅ ルート配送の経験を活かしてキャリアアップを考えている人

一方で、
❌ 体力に自信がない人
❌ 時間管理が苦手な人
❌ 変化のある仕事を求める人
には厳しいかもしれません。

自販機は大切な社会のインフラです。仕事はなくならないし災害時に無償で利用できるなど社会貢献も担っている大切な存在で、特に日本は世界でもっとも自販機の台数が多い国です。
自販機ルート配送は体力を使う仕事ではありますが、自身が社会に貢献している点においてはやりがいとある仕事ともいえます。

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